先月パソコンを購入したら40万円近くになりました。
少額減価償却資産が改正で「40万円未満」となったのも理解できます。
さて、アップル製品を買うとアップルケア(AppleCare+)の付帯については、要らないような、合った方が安心なような・・・と悩みます。
今回は購入と一緒に加入した「AppleCare+」の経理処理についてです。
Macの価格やiPhoneなど、AppleCare+を合計すると高額になります。
この場合の取得価額・減価償却費の計算はどうなるの?というお話です。
まず「取得価額」って何?
取得価額とは、その資産を購入して事業で使えるようにするまでにかかった費用の合計のことです。
国税庁のホームページには次のように書かれています。(法人税の通達参照)
購入した減価償却資産の取得価額は、原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用との合計額とされています。また、減価償却資産の取得価額には、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれます。
つまり、本体の購入代金だけでなく、「その資産を使えるようにするために必要だった費用」は取得価額に含めるのが原則です。
AppleCare+の経理処理、2つのケース
【ケース1】取得価額に含める
AppleCare+は購入時にしか加入できないという性質上、本体と切り離せないものとして取得価額に含めて減価償却する、という考え方です。
- 原則、Mac購入時に加入できる(基本、後から加入不可)
- 使い方のサポートが必要で加入した場合など、使用開始のために実質的に必要なこともある
- 製品を購入するためにかかったわけではないけど、取得時に支出している
こうした点を考えると、取得価額に含めて一緒に減価償却するのが妥当、という判断もあります。
【ケース2】取得価額に含めず、保険料として別途処理する
一方で、「AppleCare+はMacやiPhoneを使うために直接必要なものではない」「保険的な性質がある」として、取得価額には含めなくてもよいという考え方もあります。これはこれで、十分に筋の通った見解です。
最近は年額プランもできたようで(前からありましたっけ?)、まさに保険のようなものと考えられます。
保険やサポートとして加入時に一括プランに加入した時、これを経費計上するときは注意が必要です。
なぜなら、AppleCare+が有効な期間が複数年にわたるため、前払費用として処理する仕訳が必要になります。
AppleCare+は2~3年間の保証サービスですから、支払った金額をその年数にわたって経費に振り替えていくイメージです。
具体的には、たとえばAppleCare+が3年で36,000円だった場合、
「前払費用→保険料(または支払手数料)」として3年に渡り、振り替える処理が必要になります。
だったら、ケース1が楽なのでは?説
ケース1とケース2から、「どちらの処理も一定の合理性があるなら、実務的に楽な方を選ぶ」という考え方も出てきます。
前払費用として決算で毎年振り替え続けるよりも、本体と合算して取得価額に含め、ひとつの固定資産として減価償却してしまうほうが、仕訳の手間も少なく、管理もシンプルです。
具体的な処理方法と仕訳例
事例:4月2日に購入、10日から使用開始 税込経理 個人事業の青色申告者
MacBook 380,000円(消費税込)
アップルケア+ 3年 45,000円
合計 425,000円
【ケース1】取得価額に含める方法
2026年4月以降取得のため少額減価償却特例の上限は40万円未満
→ 425,000円は、判定金額を超えるため特例は使えず、通常の定額法で減価償却します。
耐用年数:4年(定額法償却率0.250)
年間減価償却費 425,000×0.250=106,250円
4月使用開始のため、1年目は4月〜12月の9ヶ月分になります。
1年目(2026年):4月〜12月 9ヶ月分 425,000×0.250×(4/12月)=79,687円
取得時:
工具器具備品 425,000 / 現金 425,000
決算時 減価償却:
1年目→ 減価償却費 79,687円 / 工具器具備品 79,687円
2年目以降も減価償却をしていく(金額は106,250円)

最後は備忘価額1円を残すルールがあるため、5年目の償却額は上記のとおりです。
【ケース2】取得価額に含めない方法
2026年4月以降取得のため少額減価償却特例の上限は40万円未満
→ 380,000円なので青色申告者は特例が使えます。本体部分は少額減価償却資産として購入年に一括経費がOK
ただし、アップルケア+の45,000円は3年間のものなので、前払費用として処理
取得時:
工具器具備品 380,000 / 現金 425,000 (資産計上として一旦処理するバージョン)
前払費用 45,000 /
決算時 減価償却:
減価償却費 380,000円 / 工具器具備品 380,000円
→青色申告決算書 3枚目の減価償却資産の箇所、「摘要」へ「措置法28条の2」と記入すること!
保険料 11,250 / 前払費用 11,250
→保険料3年間の45,000を初年度は、9月分として計算する(サポート効力がある期間に経費を按分していく)
45,000×9月/36月=11,250
まとめ:AppleCare+の処理ポイント
ここまでをざっくりまとめると、次のようになります。
- AppleCare+の処理には2つの見解があり、どれも一定の合理性がある
- 実務的には取得価額に含めて一緒に減価償却する方法がシンプルで安全
- 合算した取得価額が40万円未満(2026年4月以降取得)なら、青色申告者は少額減価償却特例で全額一括経費にできる可能性がある
- 2026年3月以前に購入した場合は旧ルール(30万円未満)が適用されるので注意
- 本体と分けて経費にするときは、保険期間にわたって経費にする
資産計上は、地方税の償却資産税のところとも関係がでてきます。
「AppleCare+の扱いってどうすればいい?」「自分の場合、特例は使えるの?」など、個別の状況によって判断が変わることも多いです。
もし経理処理でモヤっとしていることがあれば、お気軽にお問い合わせください。一緒に確認しましょう!

